« ベタな人 (今日のテーマ) | トップページ | あ~、ヘタこいたぁ~・・・ »

大解説、なんちゃって其の四『サーカス団 パノラマ島へ帰る』

このイントロ部分、下のほうの解説部分を書き終えてから、最後に書いてんですけど、まー長い文章だね。オイラならこんなに文章が長いブログは読みません。読んであげようという筋少大好きな人、またはおおらかな心を持つ人は、時間を分けて読むとか、気になるトコだけ読むとか、好きにしてくださいな。ではでは。

Photo  

『サーカス団 パノラマ島へ帰る』(1990/2)

【全体のアレコレ】

さてさて、前作をもちまして筋少の長きにわたるメンバーチェンジは終止符を打ったわけで、今回はバンド周辺のことについて書くことはありません。と思いきや、それなりに筋少を取り巻く状況には変化があったようです。

前回もチョロッと書いた通り、アルバムの一収録曲でしかなかった『日本印度化計画』がコミックソングとしてちょっとした話題になったようです。さらにその勢いに乗り、“筋肉少女帯”として深夜にテレビの冠番組を持ち(芸人か?! ちなみにそれ以前からの大槻のラジオ番組や、大槻&内田の“まんが道”なるユニット活動も伏線。僕は未聴です)、異形の愉快なニイチャンたちとして筋肉少女帯の名はお茶の間にもある程度浸透したとか。その流れのダメ押しとして、ナゴム時代に回収の憂き目にあったという伝説の曲『元祖高木ブー伝説』が、ドリフの許可を得てついにシングルリリースされました。

これがそこそこヒットしないわけもなく、これを機に筋肉少女帯はそこそこの人気バンドとして、エリカ様のごとく我が世の春を謳歌したのでした。というのは冗談で、逆にこの事実はバンド内に様々なフラストレーションを生んだそうな。大槻はおしゃべり上手としていろんなところに呼ばれ、その他のメンバーは大槻人気の一人歩きを警戒する、といった具合。なかでも大槻はけっこう心理的に弱っていったそうな。今回の文章は「~らしい」とかかなり曖昧ですが、リアルタイムはあんまり知らないし、本人でもないので話半分で読んでください。半分!? カワイイじゃないっすかー。

それはともかく、そんな時期に製作された本作。大槻はかつてなく陰鬱でシリアス、かつなんとなくアルバムタイトルのイメージに則ったような気がしないでもない歌詞を書き上げ、逆に曲のほうは、前作よりさらに多様な方向性を見せつつも、良い意味でポップさを兼ね備えるなかなかの佳曲が揃っており、なおかつアルバムの流れも重視されています。そんなわけでこのアルバム、作品としてかなりの統一感を感じさせるものとなっています。

でもねー・・・

これ、音が変だと思いませんか? 僕はこのアルバム全体の音がヒジョォォォに不満です。これを検証するために、2枚のCD『サーカス団~』とベスト盤『筋少の大車輪』を用意して、その両方に収録されている『元祖高木ブー伝説』を、ヘッドホンでも使って聴き比べてみようではありませんか! まーそんなに気合入れなくても、明らかに違うところもかなりありますが。細かいことを言えば、『サーカス団』の音は『大車輪』より、ベースやバスドラムの音が聞こえにくく、他のドラムの音ははっきり、♪オレは高木ブーだ!♪のバックのリフのギターは音が大きく、その合間に合いの手のように入るギターの音は小さい、といった違いが分かると思います。ギターや歌の細かいフレーズなんかはまったく一緒なのに、音量が違う。この違いは何か?というといわゆるミックスの違いによるものと思われます。

僕はミュージシャンじゃないので詳しいことは分かりませんが、CDを作るときには“ミキシング”とかいう作業があるらしいです。これは各楽器の音量を調節したり、エコーみたいな効果をつけたり、場合によっては音色も多少いじれるとか。『サーカス団』はミキシングをアメリカで外人にやらせてるんですね。で、アルバム前に発表されていたシングル版『高木ブー』(『大車輪』収録)と、アメリカでミックスをやり直したアルバム版『高木ブー』(『サーカス団』収録)が存在する、と。(これはあくまで僕の推測ですよ)

好みもあると思いますが、ぼくは『サーカス団』の音はイマイチだと思います。音量どうのこうの問題だけじゃなく、音色もイマイチ。ギターなんかのギラギラ感も足りなくて、なんかショボイ。『仏陀L』でも「音がイマイチ」と書きましたが、あれは演奏そのものがショボかった気がします。だからしゃーない。でも、今回は本人たち以外が余計なことをしたせいで、イマイチ。これはヒジョーに残念です。ムカつきます。なんでも外人にやらせりゃいいってモンじゃないだろ! 鬼畜米英! 尊王攘夷! 欲しがりません、勝つまでは!!

まーこのアルバムだけを聴けばそんなに気にならないと思いますが、他のと比べて聴くとねー・・・。そんなわけで僕がかつて作った“Myベスト筋少MD”には、このアルバムからは1曲も選曲されなかったのでありました。『オウム』とか『23の瞳』とか、かなりカッコいいんですけどね。

【曲解説】

1、サーカスが来た日

例によってアルバムのオープニングを飾る、歌なしの小曲。『サーカスがどうのこうの』という本作のコンセプト?に則ってます。

2、ビッキー・ホリディの唄

事実上の1曲目は、かつてないポップさを感じさせる曲。歌のメロディーもしっかりしてるし、内田の隙間(休符)の多いベースラインもいい感じ。内田はけっこう弾き倒して、音で曲を埋め尽くすベーシストだと思いますが、これはこれでかなりいい。

3、詩人オウムの世界

数年遅ければタイトルが変更されていたかもしれない、怪しい単語をタイトルに含むこの曲は、このアルバムで一番速くてハードな曲。『ビッキー・ホリディ』でイヤな予感がした、ヘビメタバンドとしての筋少ファンは、この曲でホッとしたことでしょう。僕も大好きです。とにかくハイテンポで突っ走る!!

詩のほうもなかなかで、何と言っても僕のお気に入りは、「コウモリは黙して語ることがなかったのであった!」です。“黙して”なんて硬い言い回しが面白くて、思わずニヤッとしちゃいます。

中間の大槻が喋り倒す部分で、好き勝手にサックスを吹き散らかすのは、ミジンコ研究でも知られる、ジャズ畑の坂田明氏(だよね?)。

4、労働者M

何か金属みたいなものを叩いたりこすったりしたような、サンプリングノイズ(←雑音をコンピュータに取り込んだもの)を使った、少々“インダストリアル(←「ガッシャンガッシャンと工場みたいなノリの音楽」とでも申しましょうか?)”っぽい曲。筋少はけっこう演奏力自慢なところがあるので、こういう曲はけっこう珍しいと思います。

作詞・作曲に前島明博なる人物が名を連ねていますが、これは大槻の中学くらいの時の同級生とか。“M”ってのは“マエジマ”の“M”だって(笑)。とにかく古い曲。歌詞も“若気の至り”って感じがしますねー(笑)

ところで、この曲の終わり近くで女性ボーカルが何か叫んでいるのですが、あれは何と言っているのでしょう? 僕には「牛丼入門十万人イエ~!」と言っているように聞こえるのですが・・・

5、アメリカン・ショートヘアーの少年

7分もある長い曲。今まで全然知らなかったけど。

途中でうるさい聴き所を作りつつも、全体にゆったり、しっとりした雰囲気の曲。今まで賑やか?な曲でずっと来ていたので、ここらでちょっと気分転換、ってところですか。

“ネコの頭の男の子”がどうこう言ってますが、実際にそういう人がいるかどうかは別として、昔のサーカスみたいなのにいた、一種の奇形児みたいな人の孤独感の歌だと思うと、切ないですな。

6、23の瞳

基本的にはロックですが、少々ファンキーな味わい(←まー定義は難しいですが、黒人音楽っぽい、みたいなことです。歌が始まるあたりの感じがそう)もあるカッコイイ曲。今までの曲だと、『ララミー』なんかも“ファンキー”を目指していた気がしますが、イマイチ上手くいってなかったような気がします。多分、そっち方面に造詣が深い人がいなかったから。こーゆーのがきっと本城さんの本領発揮なんでしょう。

歌詞もカッコいいっすねー。11人の友達と、片目の見えない僕とで23の瞳、ってそれだけのことなんですけどね。あと、♪らーららー♪ってメロディもいい。

ところで、ナゴム時代のこの曲が収録されたオムニバス『子どもたちのCITY』っつーのはどうなんでしょうか。買おうかどうしようか、迷ってるんですが。

7、電波 Boogie

非常にポップで明るい雰囲気の曲。

ロックに詳しくない人のために説明すると、この歌詞に出てくる“マークボラン”というのは、若くして世を去った昔のロック歌手。T.REXというバンドを率いて、化粧なんかをしてたことで有名です。曲調もそれを意識してると思います。

僕はマーク・ボランにあんまり興味ないせいか、この曲にもあんまり興味ないんですよね・・・

8、パノラマ島へ帰る

なんつーの? 童謡だの子守唄だのといった雰囲気のメロディー?のなんだか怪しげで暗い曲。アルバムの流れや全体のテーマを重視して作られた曲、って感じがします。ちなみに“パノラマ島”ってのは江戸川乱歩経由の言葉だと思われます。

9、航海の日

歌なしでアコースティック・ギターなんかを使った、非常に爽やかで軽快なGONTITIみたいな曲(ゴンチチ聴いたことないくせに言うなよ)。前の曲とあわせて、何となくノスタルジックな気分になれます(ホントか?)。これもアルバムの流れを考えてのことでしょう。

10、また会えたらいいね

前の2曲の流れから、ハードロックの世界にいきなり連れ戻されます。筋少お得意の変拍子(曲の途中で、例えば4拍子から3拍子とか、リズムが変わること)をからめたリフがカッコイイ。

でも「僕が僕である事に」とか言うメッセージ?がちょっと苦手なんですよね。こーゆーのって、後にオーケンが(僕にとって)嫌な感じになる伏線で、このアルバムでの新曲かと思ってましたが、ナゴムの頃からあった曲だったんですねー。まーどーでもいーけどさ。

11、お別れの日

このシリーズをやるとき、作詞作曲のクレジットを全部につけようと思ったりもしたんですが、結局面倒なのでやめました。5人のメンバーが固まってからは、全員が曲を書くようになるのですが、『猫のテブクロ』までは大槻、内田、三柴の3人が曲を書いていたようです。まーオーケンは音楽も楽器もほとんど分からないようなので、他の人がいっぱい手をくわえるんだと思いますが。

それはいーとして、このアルバムから橘高も曲を書くようになり(『オウム』とか)、この『お別れの日』はドラムの太田が作曲しています。ま、短い歌なしの曲ですけどね。演奏もほぼ太田のみで、なんとピアノを弾いてます。ドラムの人ってピアノ経験者が多いんですよねー。僕の友達もそうでした。って全然関係ないですね。

12、元祖高木ブー伝説

前の曲でしっとりとこのアルバムを締めくくればいいものを、これまでの流れを全てぶち壊すべく立ち現れる「高木っブーぅぅぅぅ!!!!!」の叫び。最後にこの曲を持ってきたことには賛否両論あるようですが、僕は好きですね。そもそも筋少は普通のカッコよさを否定してるようなところがあるわけで、ここでこの曲が来るのは出来すぎって気さえします。これを否定する人は筋少が分かっとらん! なんちゃって。

聴いたことない人は「いったい何の歌なんだよ?」と思うでしょうが、恋人との別れを高木ブーと絡めて描いています。ってなんのこっちゃ。ネットでこの曲の感想を探してみると、「これは失恋の曲だ! だから悲しい曲、泣ける曲なんだ!」とか力説してる人がいますが、それはいささか短絡的では? 別離を高木ブーと絡めてしまうなんて、オーケンてばヒネクレ者で恥ずかしがり屋のオチャメさん♪とニヤニヤ聴くのが良いのではないでしょうか? そもそも“泣ける”のが“笑える”のよりエライとか、あるいは“泣ける”ものと“笑える”ものが同居しないと言う考え方が単純だと思いますし、全ての言葉にムリヤリ意味を見出す必要もないのでは。なーんて、エラそうですね。

そしてこの曲、音楽的にもかなり変だ!! カラオケしてみると分かると思いますが、無意味とも思える変拍子の連続で、ヒジョーにノリにくい、歌いにくい。コード進行とかも変わってるんだって。僕には分かんないけど。この曲はオーケンの作曲となっていて、いい意味で素人パワーが炸裂している気がします。

愉快な歌詞にヘンテコな曲、筋少らしさがあふれる、まさに代表曲と言えるのでは?

 

ああ、今回は曲が多くて疲れた。次回は名盤の誉れ高い『月光蟲』をやる予定ですが、これも曲が多いし、日曜日までには間に合わないかも。まーいーや、そん時はそん時だね。だいたい、ここまで続いたことが奇跡ってもんだ。とりあえず今日はこんなところで。
それでは、
一人で生きろよ 辛くとも死ぬな
また会う日まで 御機嫌よう

 

↑貴重な三柴在籍時の『高木ブー伝説』。
 超ハイテンションの演奏もカッコイイが(特にピアノ)、
 メンバーの衣装がてんでバラバラなのもカッコイイ!!

|

« ベタな人 (今日のテーマ) | トップページ | あ~、ヘタこいたぁ~・・・ »

音楽」カテゴリの記事

コメント

「元祖高木ブー伝説」聞いた事ある♪結構好きです^^
初めて聞いたのはコンビニの有線ででした。

その後、会社の人たちとドライブに行った時
この曲や、レピッシュ(当時大好きだった)などを持ってってかけたら
ドライブには全然合わないと言う事を思い知らされました★
皆「コレ、何?」・・・。

投稿: わさぴょん | 2007年10月 7日 (日) 午前 08時55分

確かにドライブには全然合いそうにないですね。ははは。
疾走感がないと言うか、
ぎっこんばったん、ドッタンバッタンしてます。
それに比べてレピッシュは合いそうですねー。
今までロクに聴いたことはないのですが、
一度ちゃんと聴いてみたいと思ってます。
パヤパヤ。

投稿: べえし | 2007年10月 8日 (月) 午前 01時08分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/198893/7926032

この記事へのトラックバック一覧です: 大解説、なんちゃって其の四『サーカス団 パノラマ島へ帰る』:

« ベタな人 (今日のテーマ) | トップページ | あ~、ヘタこいたぁ~・・・ »